日本の福祉制度の現状と課題:2025年問題に向けた対策とは?
日本の福祉制度は、急速な高齢化と少子化の進行により、大きな転換点を迎えています。2025年には65歳以上の人口が30%を超え、いわゆる「2025年問題」が現実のものとなります。この状況下で、社会保障給付費は増加の一途をたどり、2017年度には120.2兆円に達しました。
目次
福祉制度の現状
現在の日本の福祉制度は、主に年金、医療、介護の3つの柱で構成されています。これらは基本的に現役世代が納める保険料を財源としており、世代間の所得移転という形で機能しています。しかし、高齢化の進展に伴い、給付額の増加と同時に現役世代の負担も上昇していくことが予想されます。
直面する課題
- 社会保障費の増大: 福祉その他(介護、生活保護費等)の支出は、年金や医療以上のペースで増加しています1。
- 現役世代の負担増: 政府の試算によると、協会けんぽの保険料率は現状の10%から2040年度には13%程度まで上昇する可能性があります。
- 財源の確保: 公的負担の割合が上昇傾向にあり、保険料収入と並んで重要性が増しています1。
全世代型社会保障制度への移行
政府は「全世代型社会保障制度」の構築を目指しています。この制度では、一定所得以上の後期高齢者の医療費自己負担割合を2割に引き上げるなど、世代間の公平性を重視した改革が検討されています。
今後の展望
福祉制度の持続可能性を確保するためには、以下の点が重要です:
- 負担と給付のバランスの見直し
- 予防医療の強化による医療費抑制
- 高齢者の就労促進による社会保障の支え手の拡大
日本の福祉制度は大きな岐路に立っています。世代間の公平性を保ちつつ、すべての人に健康と福祉を提供できる持続可能な制度の構築が急務となっています。